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在宅ワークをはじめて、透明だった私に少しずつ色がついてきた。


結婚・出産・介護などによって生活の基盤が変わっても自分らしくありたい。多くの方はそう望まれるのではないでしょうか?とはいえ、一日の大半の時間を家族のために使うことがどうしても必要となることも。今回は秋田県湯沢市で1年前に在宅ワークをはじめた東海林さんに、お仕事を再開され、自分らしく生きることの楽しさについてインタビューしてきました。

家事と育児と仕事のバランスを取るのはよほど理解のある協力者が近くにいないと難しい

―一番下のお子さんの入園を機に外へお仕事に出られたとお聞きしました
はい。ずっと「働きたい」という思いはあったのですが、乳児を抱えての就職活動は想像以上に厳しくて、三女の入園を機にようやく。正社員として働き始めたのですが、残業が多く、幼稚園のお迎えも間に合わない日々が続き、疲労困憊の末に体調を崩してしまって、わずか一年足らずで辞めざるを得ない状況になってしまいました。
就くお仕事によるのかもしれませんが、家事と育児と仕事のバランスを取るのはよほど理解のある協力者が近くにいないと難しいと身をもって実感しました。ただ、失敗はしたけれど、思い切って一歩踏み出したことによって、新しい世界が広がったと思います。自分で収入を得た事によって、自分を取り戻すきっかけが掴めたような気がします。

―なかなか三人の子供さんがいて、希望の時間帯で働けるお仕事って少ないですよね。
そうなんですよねぇ。パートだと融通が利きそうな気がして探してみたんですが、夕方の勤務や土日の出勤が必要なところがほとんどでした。子どもがスポーツ少年団に入っているので、お迎えや練習試合と重なってしまわないよう、平日の日中勤務が良かったんです。『学校の行事や帰りの時間等は配慮します』という合意で正社員として採用されたのですが、いざ働き出してみたら行事に行かせてもらえたのは最初の一回だけでした(笑)。帰りの時間も、「仕事が終われば帰っていいですよ。」ということで。私の要領が悪いのかもしれませんが・・・、ほぼ終わらなかったですね(笑)。
その会社で働いている人たちは皆さん独身で、会社の為に自身の生活の全てをささげている様子でした。もちろん、そんな風に大事に思える仕事に出会えて、懸命に頑張る人生も素晴らしいと思います。その仕事自体はとてもやりがいがあって、好きだったんですが、私の場合は家庭もありますし、そういう働き方をするのは難しかったですね。

一緒に頑張っている仲間がいると自分も頑張ろうと思える。

―家事の協力者がいなかったことで在宅ワークに目が向いたのですか?
体調を崩して仕事を辞めた後、この先、一体どうしたものか?とかなり落ち込んでしまいました。私の暮らす田舎では、そもそも仕事自体が少ない上に、自分の働ける条件に合った仕事はなかなか空きが出ません。そんな時、市の広報でJob-Hubのアウトソーシングを利用した「在宅ワーカー養成講座」の募集広告を見たんです。もともとパソコン操作は得意な方ではないし、不安は大きかったんですが、市の事業ということで、受講料もかからないし、話だけでも聞いてみようと思い、申し込みました。今後の人生を考えた時に、子育てが一段落してもその後は介護の問題があるので、自宅でもできる仕事というのを身に着けておきたいと思いました。

―在宅ワーカー養成講座に申込みしてみていかがでしたか?
同じ在宅ワーカーの養成講座に通っているワーカーさんたちと仲良くなって色々話が出来る事が、とても楽しいです!みんな日常の中で似たような悩みを抱えていたり、仕事でわからない所は教えあったりして、一緒に頑張っている仲間がいると自分も頑張ろうと思えてきます。上司でも部下でもない、横並びの関係がいいのかもしれません。
私のお世話になっている在宅ワーク推進センターでは、受注する仕事によって養成講座や勉強会を開催してくれます。交流会などもあるので、割と頻繁にワーカー同士が顔を合わせることが出来ます。ずっと家で一人で作業していると必ず煮詰まってしまうので、外に出て仲間と雑談ができることは、自分がリフレッシュできる大切な時間となっています。在宅ワーカーの仲間と一緒にもっとスキルを身に着けて、在宅ワーカーとしての働き方の可能性を更に広げていけるように頑張っていきたいです。
―在宅ワーカーは人と会わないイメージをもたれる方もいらっしゃいますが、東海林さんの場合は在宅ワーカーになった事で、コミュニティが広がったんですね。

「自分のスキルを活かして稼ぐ方法を考える」社会へと変わっていく転換期

―在宅ワークをはじめたことで周りから反応はありましたか
ママ友達はみんな興味津々で聞いてきますね。どんなことをやるのか、収入はどれくらいなのか、とか。私の場合、まだまだスキルも足りないのでそれ程の収入にはならないのですが、人によっては思わぬところで自身のスキルを活かせる可能性もあるわけなので、どんどんチャレンジしてほしいなぁと思います。

―在宅ワークにはいろんなお仕事がありますから、どこで仕事に役立つかわからない過去のスキルとかもありそうですよね?
そうなんですよ!意外と自分でも知らなかったような、得意分野の発見があるかもしれないですし、趣味の分野を活かせるのもこの仕事の利点だと思います。今も人工知能はどんどん進化していっているみたいですし、近い未来、ほとんどの仕事はAIで済むようになってしまうかもしれません。「勤務して給料をもらう」のが当たり前だった社会から、「自分のスキルを活かして稼ぐ方法を考える」社会へと変わっていく転換期にあるのかもしれませんね。この先どんな仕事が残っていくのか、最近よく考えてしまいます。

自由なぶん、しっかり時間の使い方を考えないといけない

―Job-Hubに登録されてお仕事をはじめてから、ちょうど1年くらいとお聞きしましたが、お仕事する際、気をつけている事はありますか?
一番気を付けていることは、締切りです。当たり前のことですが、仕事を受けた以上は責任をもって期日までに仕上げなければいけないので、間に合わないなんて言うことのないようにスキマ時間を見つけては仕事を進めるようにしています。「在宅ワーク」というとかなり自由な感じがしますが、自由なぶん、しっかり時間の使い方を考えないといけないんだな、と実感しています。突発的に、家族を病院に連れて行ったりしないといけないこともあるので、なかなかそう簡単にはうまくいきませんが、受注した仕事には早め早めに対処するように心がけています。私の場合ですが、ずっと作業しっぱなしよりもチョコチョコとやった方が気分転換にもなっていいみたいです。試行錯誤しながらやっている感じですねぇ。

―3人お子さんがいらっしゃると、かなり忙しいとは思うのですが、スキマ時間を作るコツとかあるんですか?
そうですね。子どもたちが学校に行っている間や、就寝後など、確実に確保できる時間のほかにも、家事の合間のちょっとした時間を使うようにしています。夕飯の支度が速くできた時とか、洗濯機が止まるまでの10分間とか、在宅ワークなので仕事に使えるんですよね!
私の場合はまず、朝のうちにその日の中でやらなければいけない事を頭の中にリストアップして、優先順位を決めて、大体のタイムスケジュールをイメージするようにしています。あまりキチっと決めすぎると行き詰まってしまうので、ユルめにフワッと決めておきます。そうすると、意外と早く片付いたことがあった時にちょっとしたスキマ時間が生まれるので、ラッキーと思って仕事を進められます。逆に、仕事をしていて煮詰まってきた時も、自由に5分休憩が取れるのでリフレッシュしやすいです。もちろん、休憩が長引いてあらら…という時もあります(笑)。仕事がはかどらず、結局深夜の作業になってしまう日もあったりするので、どうやって時間を作るのか私も教えてほしいくらいですよ(笑)!

介護する側にとっても、される側にとっても、在宅ワークという形で仕事ができる事は大きな利点になると思います。

―在宅ワークをはじめて「私はここが変わった」気づきみたいなのはありますか?
ネットを見る時の見方が変わりましたねぇ。記事の文章の組み立て方とか、広告のレイアウトとか、気になっちゃいます。ロゴのデザインとかも、「これ、どうやって作ったんだろう?」って見ちゃいますねぇ。今までは全く気にしてなかったんですが。いろんな発見があって、面白いです。

―ライターさんらしい、ネットの見方ですね。(笑)いつも見てしまうお気に入りのサイトなどありますか?
仕事関係で色々なサイトを見る事が多いですね。その時受注している仕事によって、普段はまず見ないような分野のサイトを見るので勉強になります。いつも見てしまうのは、自分の趣味の分野になっちゃいますねぇ。好きなミュージシャンの動画とかホームページとか。あと、最近ギターを弾き始めたので、ギター関連のページをよく見ます。まだ全然綺麗に音がならせなくて下手なんですけど、弾いているだけでとっても楽しいんですよねぇ。あ、仕事と関係なかったですね(笑)。

―在宅ワークはこれからの東海林さんの人生に役に立ちそうですか?
ぜひ、役立てていきたいです!最初にも話しましたが、私はそもそもパソコンが得意なわけでもなく、むしろSNSのような新しいツールには懐疑的なタイプです。ツイッターやインスタはほとんど見る事もなく、LINEすら使用していません。スマホにしたのもつい最近ですし…。ただ、ものすごいスピードでSNSは進化していて、多種多様な使い方が出来ることが在宅ワークの仕事を始めてからわかってきました。なんだか、何もないテーブルの上に「こんな事が出来ますよ、あんな事も出来ますよ。」と様々並べられて、「さぁ、あなたはこれをどう使う?これを使って何がしたいの?」と、試されているような気がします。多分、使いようなんだろうなぁ、と。今はまだ、ぼんやりとしかイメージできませんが、近い未来に訪れる介護社会において在宅ワークは大きな可能性を秘めているような気がしています。介護する側にとっても、される側にとっても、在宅ワークという形で仕事ができる事は大きな利点になると思います。

「女は引っ込んでろ」っていうような風潮を変えていって、少しずつでもいいから女性が楽しめる事を地域で増やしていきたいなぁと思っています。

―最近はワンオペ家事、ワンオペ育児に悩む女性が多いと聞きます。都会では待機児童を問題視されていたりしますが、地方の、地域によっては待機児童の問題はないものの、まだ「女性は家に居るもの」という風潮が強いように感じています。地方の、ワンオペ家事をしている女性に、一足先にお仕事を開始された先輩として、メッセージをお願いします。

「好きなことだけは譲っちゃダメ!」って伝えたいです。
「お母さん」をやって、自分の一日の大半の時間を家族のために使っていると、私の場合ですが、自分がだんだん透明になっている様な気がしていました。自分のことはいつも二の次、三の次になっちゃうんです。それでは、自分がいったい誰なのかもわからなくなってしまいます。
だから、些細な事ですが、自分が好きなものをしっかり胸の中に持ち続けることで、結構いろいろ頑張れるんじゃないかって思うんです。時には多少わがままでも、これだけは譲れないっていう好きなことを一つ持つとか。これをやってる時だけは、家族に協力してもらって、自由時間をもらえるとか。
せっかく生まれてきたんだし。そういうご褒美がないとつまらないですよね、誰だって。
私は仕事をしている時間もそうですし、好きなことをしている時は「お母さん」であることから解放されるというか…。
少しでも自分自身に戻れる時間があると気分転換になって「お母さん役」役に戻った時も頑張れる気がします。ストレス発散というか、あまりストレスをため込まないようにする感じでしょうか。私が暮らす田舎では、旦那や子どもが最優先で当たり前っていう土地柄なんですよねぇ。女は引っ込んでろっていうような。日常の面倒事を一手に引き受けるのが女性の役目になっています。私のママ友たちはそんな中で自分たちなりの楽しみを見つけて、少しでも楽しくやっていこうと頑張っています。
自分たちの手で、少しずつでもいいから「女は引っ込んでろ」っていうような風潮を変えていって、少しずつでもいいから女性が楽しめる事を増やしていきたいなぁと思っています。

―ありがとうございました。インタビューをしていると、家事も立派な仕事なのに、外で働いて収入を得ていないと、なんだか家庭の中で役割を果たしていないような気分になる女性もいらっしゃるように感じます。我々Job-Hubは一人ひとりのライフスタイルに合わせた働き方をこれからも生み出していきたいと思います。貴重なお話ありがとうございました。