
再就職は周囲にサポートしてくれる人がいないと、難しい状況でした。
―お仕事を辞めた時は、きっかけがあったんですか?
結婚してからも仕事を続けていたのですが、とても時間帯が不規則な仕事でした。子どもが欲しいと思ったのが仕事をやめるきっかけです。辞めて1年半くらい経った頃、息子を授かりました。希望がかなったので復職も考えましたが、主人が転勤族だった事で、なかなか再就職が難しい状況でした。やはり周囲にサポートしてくれる人がいないと、面接に行っても「子どもが病気をしたらどうするんですか」「誰か見てくれる人はいるんですか」と言われてしまったり、仕事が決まらないと保育園にも入れなかったりで、半ば再就職は諦めておりました。
息子が幼稚園の頃、自治体の子育て支援の一環で、幼稚園の預かり保育支援を受ける事ができた時はパートに出たのですが、半年経ったころに主人の転勤が決まり、仕事をつづける事ができなくなってしまいました。
―それで17年ほどブランクが開いてしまったのですね。再就職をせず、在宅ワークという道を選んだのは、それまでに続けることが難しい状況などがあったからなのでしょうか?
そうですね。子どもも大きくなり、主人が単身赴任になった事で、7年前に地元に戻ったのですが、その時に父の病気が分かり、余命を宣告されておりましたので、残りの時間を一緒に過ごそうと思いました。父を看取ることができたのですが、今度は自分自身が体調に不安を抱える事になり、新しく仕事に踏み出すことができなくて、悩んだりもしておりました。息子の卒業した小学校での図書館ボランティアも週一回ですが、続けていきたかったし。でも、子育てにはお金もかかるので、何か働きたいと思っていたんです。
そんな時に湯沢市「在宅ワーカー養成講座」の募集を目にしました。在宅なら自分のペースで仕事をすることができるのではないかと思い、チャレンジしてみる事にしました。
外に気持ちが向くようになった事で世界が広がった気がしています。
―始めてわずか1年足らずでご活躍ですね
ええ。考えていたより忙しくなりました(笑)あまり、深く考えずに在宅ワークデビューをしたような感じでしたので、後になってじわじわと「今の自分に何ができるんだろう」「私にはこんなことができます」と、胸を張って言える事はどんなことだろう? と思うようになってきて。どうもスロースターターのタイプのようです。外に気持ちが向くようになった事で世界が広がった気がしています。
喘息があり、季節の変わり目になると体調を崩してしまったりすることがあるので、一つずつ着実に積み重ねていくしかないと思っています。体調面のことでクライアントさんに迷惑をかけてはいけないので、体調管理にはもちろん細心の注意を払っていますが、積極的にコミュニケーションをとって、自分の今の状況を知ってもらうようにしています。
知ってもらうことで、何かのアクシデントがあった時にも、フォローしてもらえたりします。
在宅ワークは一緒に働いている人との顔が見えない働き方ではありますが、知ってもらって、安心してお仕事を請けられる体制が作れるように心がけています。
おかげさまで、たくさんお仕事をいただける様になりましたが、無理はしないと決めています。私は無理をして疲れてしまうと集中力が落ちてしまったり、ミスが出てしまったりするので、しっかり睡眠をとって、自分の体調の変化に気づき、仕事量を調整することで、結果的にいい仕事ができて、信頼にもつながったのではないかと思ってます。
―家族や周囲に反応はありましたか
家族は、とても協力的だと思います。ただ、周囲の人たちは年代に関係なく、理解できる人と、想像のつかない世界だという人の両方なので、あまり積極的には在宅ワーカーの話をしていないかもしれません。
―コンプライアンス的な事もあったり、なかなか「どんな仕事をしている」と言いにくいですよね
そうですね。あと、想像しにくいみたいです。接客の仕事を例にすると、お客様になにかサービスを提供するとか、目に見えるものがあるわけですが、在宅ワーク?パソコンを使って?何をするの?(高度な)専門的なことが必要でしょ?といった反応が結構あります。
―黒澤さんのストレス発散やリラックス方法を教えてください。
今、飼っている猫が実は2代目に当たるのですが、その子を撫でまわすことです。(モフるとも言いますが)「多分、男の子」といわれて譲っていただいたのに、なぜか女の子でした。男の子の名前を付けてしまい、本人?もその名前に馴染んでしまったので、そのまま改名はしていません。非常にヤンチャな子です。見ていて飽きないですね。
プログラミング教室のお手伝いをした時、子ども達の反応がキラキラしていて、私自身ワクワクしました。
―在宅ワークを始めてから身に着いたことや興味を持ちはじめて勉強をしたことはありますか?
身に着いたのは「とりあえず、やってみる」という姿勢です。(笑)
自分自身、引っ込み思案だと思っていて、新しい事を始めるのはいつも尻込みをしてしまう方だったのですが、「ここまでやってダメならそれまで」って決めて割り切って始めてみる、やってみる。って事が良かったみたいです。やってみると「案外できるんだ~」って気がついたり。
昨年、湯沢「在宅ワーカー養成講座」の一環で、小学生向けのプログラミング講師養成講座を受講しました。私はプログラマーだった経験はなく、わからないことだらけなんですが、ある時、子ども達を招いて体験教室を行った時に、お手伝いとして参加させてもらったんです。
その時の子ども達の反応がキラキラしていて、私自身ワクワクしました。もう少し勉強を進めてみたいと思ったきっかけです。
これまで、地域ボランティアとして小学校の図書館の貸し出しのお手伝いに週に一回通っているのですが、子ども達が何かを発見した時の笑顔!それを見た時にすごくやりがいを感じるんです。プログラミング教室の講師もその感覚に似ているかもしれませんね。
元々、教える事は嫌いではないのですが、知識がないので専門的な事はこれからになります。いかに小学生の子どもたちにプログラミングに対しての興味を持ってもらえるか、まず、はじめの一歩、好きになって、好奇心を持ってもらわないと勉強って深くなっていかないので、今はその事ばかり考えています。
―子ども達の笑顔が黒澤さんのやりがいに繋がっているんですね。これから季節の変わり目になりますが、どうぞ体調に気をつけて在宅ワークと講師業 頑張ってください。ありがとうございました。
編集後記:
仕事を始めるのに最初は躊躇された黒澤さんですが、思い切ってチャレンジして、新たなやりがいを見つけられた。それは子育ての経験があってこそのやりがいなのではないかなと、感じました。女性の場合、子育てはブランクと捉えがちですが、それが次のキャリアにつながっていくということがおおいにあり得るのではないかと思います。
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